オーストラリアに行ってきました(後編)


 5日目朝

海に行く朝

 あれは何時だったのだろう?鳥のさえずりとクルマの走り去る音で目がさめる。路面の水をはじきとばす音が長く尾を引いていた。昨晩はかなり雨が降ったのだろう。クルマの音が止むと鳥の声も小さくなる。はてな?

 そうか!ここでは小鳥でさえも人やクルマに遠慮などしない。まわりの音が大きくなれば、それ以上に大きな声でさえずる。それだけのこと。

 ベッドからそっと抜け出し、デジカメとMDを持ってバルコニーに出た。窓から見える景色を撮りながら、小鳥の声の録音する。昨夜の名残か細かい雨が吹込む、あわててマイクを避難させる。切り上げようと思うと、また別の鳥のさえずりが始まり録音開始、なんどかこれを繰り返す。しかし、二兎追うものはナントヤラ・・・、良いと思った録音に、デジカメのピント合わせの音が一緒に録音されていた。

 泳ぎに行くのに余計な荷物は邪魔だ。デジカメとMDは金庫にしまう。水筒代わりのペットボトルとタオルなどを、クロコダイルジャーキーの入っていたビニルバックに詰め替えて準備はOK。水は備え付けの電気ポットで沸かして冷まし、ペットボトルに詰めて冷蔵庫入れておいたから冷えている。



コンセント

 ところで、こちらの電気配線は200ボルトで、壁のコンセントには必ず「コンセントのスイッチ」がついている。それから、電気ポットに保温機能は無い。ポットのスイッチを入れて沸騰したら、自動的に切れてそれきり冷めていく。

 なので、気をつけないと失敗する。もう沸いてるだろうと戻ってみると、全く温まっていない(スイッチの入れ忘れ)か、冷めてしまっている。小さいポットでも200ボルトのせいかすぐに沸く。必要なときに目の前で沸かすのが良いようだ。



朝食

 準備を整えて、昨夜チェックした店で朝食をとり、10時までに船の出る桟橋へ行く。これが指し当たっての予定。さて実際は?、ここからはカミさんのメモを引用する。

 歩いて桟橋まで行く途中に朝食。
 2Tradithional BF
 1Blueberry pancake
 1Pancake with bacon
 カードは使えないそうだ。

 2White coffee も頼んだが、coffee を含めず$25だという。
 財布からコインをかき集めて$25払う。
 $2硬貨が沢山あったので2coffee も頼む。

 Hot Chocolate $3 とあるので、上の娘に2$硬貨を3枚持たせ自分で頼ませた。

 声を掛けられないで立っているので、私が Excuse me と言い、言わせる。

 娘:Two Hot Chocolate
 店:What kind of Chocolate? Milk shake ,cold ・・・・

  Hot が聞こえないようだ。
 再度 Hot を言わせる。

  硬貨3枚のうち1枚は余計だと言われ、さらに釣を貰ってしまう。
 1つだと思われている。One more と言えば大丈夫だからと言うが、

  下の娘にあげるからいい>>結局1つを分け合って飲んだ。

 飲み物はすぐにできたので自分でテーブルに運ぶ。食べ物は時間がかかりそうだ。
 9:30 あと30分しかない。運良くタクシー(通ってない)が来てギリギリか。
 Take out にしてもらうか?

 他の客へ何か持ってきたときに訊ねてみた。
  Are you already making all of the foods?

 Pan cake が今1枚しかないので、もう1枚はこれからこねて作るところだという
  I want to cancel one pan cake.

 Ice cream の方か?Baconの方か?ときかれる。アイスクリーム(?)の方がブルーベリーだろうと想像しBaconを貰うつもりでBaconと答えると。

 no ice cream or no bacon ? と聞き返される。

 no ice cream というと納得して去る。

 ブルーベリーをやめてベーコンだけにしたと簡単に伝えたら。ノーアイスクリームしか聞いてないぞ、アイスクリームがのってないのが2皿来るんじゃないか?と家族にいわれて怒る!しばらくして$5返しに来たのを見て家族は謝った。ところが想像していたものとはだいぶ違った。

 まず、パンケーキは1人前でちょうど良い量だった(3枚ものっていた)。そして、生地にブルーベリーが入っていた。ブルーベリーの緑っぽい色とベーコンの赤は、不思議な取り合わせだった。

 トラディッショナルブレックファーストの方は、目玉焼きがのったトースト2枚、グリルドトマト、ベーコンだった。

 急いで食べていると、日本人の女の子3人組が入ってきたがウチの娘同様に突っ立っていた。食べ終わって店主に礼をいうと嬉しそうだった。桟橋まで走りながらオトーサンはあの3人は頼めたのだろうかと心配していた(?)。

 10時には、何とかセーフ。クーポンを切符に買えて、船が出るのは10:30だから充分に間に合う。クーポンを代えるのに少し並ぶことになったので言われていた10時にも間に合って良かった。

 以上はカミさんのメモからでした。



 5日目昼・夜

案内所で

 滑り込むように入った案内所では既に先客がいた。数グループなのですぐに順番が来ると思ったら、なかなかまわってこない。こちらでは列が長くなっても(店も客も)全く平気らしい。小さな子供連れの日本人観光客が何か言われて往生していたが、カミさんが行って何回か話をすると解決した。後で聞くと、買い物キャリー(よくスーパーでオバサンがひっぱってるやつ)を預かりましょうと言われていたのがわからなかったらしい。JTBのクーポンを切符に代えて外に出ると、乗船のためにまた並ぶ。こっちは既に切符を持った団体さんが観光バスでどんどんおろされるので、あっという間に長い行列になった。添乗員の叫ぶような日本語があっちでもこっちでも聞こえた。



船で
 
 やっと乗船が始まり船の前まで来るとゲートが二つある、同じ船だが行き先別になっているらしい。切符を見せると何か言っていたが、グリーンアイランドはこっちからだと解釈して進んだ。結局それでよかったのだが、並んでいた行列が合っていてヨカッタ!。グリーン島へよった後にグレートバリアリーフに向かう船らしい。

 座席につくと、出るまでの間は暖かい飲み物がサービスだから取りにこいと添乗員が叫んでいた。出てしまうと「安全上の理由」でサービスは終わり、冷たい飲み物を有料で注文できると言う。カミさんが何かもらってくると言うので、水中仕様のレンズ付フィルム(カメラ)があったら買ってきてくれと頼んだ。ナイトマーケットで見かけたコダック製ではなく富士のものが手に入った。

 船内にはTVモニターがあって、オプションツアーの宣伝やシュノーケリングの注意事項などを流していた。船が出るとしかし、それどころではなかった。風が強いので揺れる・・・・。実は酔いやすい方なのだ。しょっちゅう耳鳴りがするようになってからは、自分が運転しているクルマでもたまに酔うことがある。いくら大きな船でも揺れるものは揺れる。

 こういうときは、目をつぶって揺れに身を任せるのがイチバンだと、揺れにあわせて頭をグラングランとゆすっていたら、傍から見るとよっぽどひどくみえたのだろう日本語のスタッフから何回か声を掛けられた。目をつぶっている間はなんとか抑えられるのだが、目を開いた瞬間から気分が悪くなりだすのがこの方法の弱点だ。大丈夫です!と短く答える(御願い!話し掛けないで!!)。紙コップに氷を入れたものを渡してくれた、口に含んでいるといいという。やってみたが氷が大きすぎだ、カミさんが持参した飴「ライフセーバー」のほうが良かった。



グリーンアイランド

 島全体が珊瑚でできているそうで、島の周辺も当然のように珊瑚礁。大きな船は近づけないため、「く」の字に曲がった長い桟橋が付いている。その曲がりかどを通過するさいに切符を出して、グラスボートの乗船時間をチェックする。船から降りたばかりで朦朧としていたら、切符の裏に時間を書いてくれた。

 とりあえず、奥に進む。プールもあってシュノーケリングの講習会をやっていた。どうする?ビーチに行ってみるか・・・昨日買った水着は朝からシャツの下に着込んでいた。マングローブの林を抜けると磯臭い砂浜に出た。臭いは海ではなくて、木の根っこが臭うような気がした。水辺に近づくと気にならなかった。砂浜はたいして広くなく、短かった。ジャボジャボと進んでいくと砂は消えて珊瑚礁になる。ひざがつかるかどうかのところで、もう岩のような珊瑚。踏んづけるなと言われても・・・。

 ビーチパラソルの貸し出し22ドルと書いてあったが、現金をあまり持ち合わせていないので借りなかった。現金をやり取りしている様子も無かったので、切符を見せれば借りられたのかもしれないが。訊いてみる元気が出なかった。

 海を見ながらボーっとしていると、次第に気分は良くなり腹がすいてきた。食べに行くぞ!ほれほれ仕度しろ。空腹の私は機嫌が良くないということを、ウチの娘たちはよく知っていて、すぐに上がってきた。

 案内にはバーベキューと書いてあったような気がしたのだけれど、カフェテリアの入り口で切符を見せてバイキング形式で食べ放題だった。ここの小鳥は遠慮が無い。韓国からきたと思われる一家が隣のテーブルにいたのだけれど、お父さんだけ残して席を離れた隙に、テーブルは鳥だらけになっていた。どうもフルーツを狙っていたらしい。家族が戻ってくるまで鳥は離れようとはしなかった。

 私は何を食べたのだっけ?カウンターでチキンにするかミートにするかと言われて、子どもの分も貰うつもりで両方もらったら、子どもは自分で何か頼んだので量が多くなってしまった。もう世話を焼かない方がいいみたいだ。

 食べているうちにグラスボートの時間がきてしまった。船底がガラス張りのモーターボートで面白そうだが、食べたばっかりでまた船に乗るのも・・・せっかく元気になったことだしというので、パスを決め込み、ゆっくりコーヒーを飲んだ。

 こんどはシュノーケリングの道具を借りて、ビーチへ行ってみることにした(これもツアーについている)。背はでかいがやさしいお兄さんがいて、ライフジャケット(別料金)の一人分をサービスしてくれた。

 更衣室前にコインロッカーを発見。これがハイテクなコインロッカーで、ディスプレイ画面に従って空いてるロッカーから使うものを指定し、自分でパスワードを設定して料金を払い込む。すると何時まで有効と表示される。有効時間内は何度でも利用できるようだ。しかも表示される言語が選べる・・・のだけど日本語は誤字だらけで笑ってしまう、まるで暗号解読だ。英語の方がかえって判りやすかった。

 ビーチへ行くと、潮は引いていて海水はずっと先になっていた。岩のような珊瑚の上を裸足で歩くのは根性が必要。かといって足ひれをつけて歩くのはつまづきそうで危なっかしい。後ろ向きに歩くにはデコボコしすぎて無理。適当なくぼみへ頭を突っ込んで見ると、魚がかくれんぼしていた。

 そうやって、珊瑚の上を歩いて往復するだけで時間がたってしまった。借りた道具を店の裏の水槽でゆすいで返し、シャワーで砂を払って着替えた。カミさんがみやげ物用のバッグが欲しいと言うので、ベネトンの店で買った。

 長い桟橋を歩いていると風が強くなってきた、下の娘が帽子に手をかけた瞬間、帽子は飛んでいってしまった。昨日買ってもらったばかりの白いカーボーイハットは、お気に入りだったのだがどうしようもなかった。



ヨットクラブ

 帰りの船のなかの記憶はあまり無い、本当に寝てしまったようだ。・・・船が岸に着くとさっきまで車座になって騒いでいた日本人青年達が、スタッフオンリーの扉からぞろぞろと出て行った。なんだあのガキ供はと思っていたら、あれでクルーなんだと!、岸に一列に並んで下船したお客に手を振っていた。

 下船してぞろぞろ歩いていると、朝並んでいたところには大型の観光バスが十数台スタンバイしていて次々に出発していた。こういうところは感心するくらい手際が良かった。沢山いた人があっという間に我々だけ残していなくなってしまった。

 結構遊んだので、おなかもすいた。何を食べようか?船着場の近くにヨットクラブの建物があり、セットにすると飲み物がついてくると、黒板に日本語で書かれていたので入ってみた。でも、日本語を話すものなど一人もいなかった。ボケッと突っ立ってると、食べ物はこっち、飲み物はあっちのカウンターで頼めと掃除をしていたおじさんが言う(英語だが雰囲気で判るようになってきた)。

 壁に書かれたメニューを見ながら、春巻きのチリソース、ラザニア、ステーキ200グラム、オイスターなどを注文した。オイスターは1皿でいいのか?と訊ねられた。1皿6ピースなのでそれでいいと答えた。注文は相変わらずカミさん任せだ。飲み物のカウンターではカードが使えなかったので、札を渡したらオバサンが何か言っていた。ニコニコして聞いていたら向こうもニコニコして行ってしまった。ワットカインドゴッチュウとか聞こえたのだがカミさんにもよくわからなかったらしい。実際はホカニゴチュウモンハ?と日本語で聞いていたのに気づかなかったので、お釣はチップだと思って返さなかったようだ。カミさんいわくこのときの現金は、朝のカフェでキャンセルしたときに、戻してもらったもので、これっきり持っていなかったのだという。

 店は二階にあり、テラスへ出て注文したものを待った。さっきまで乗っていた船も見える。船だけが近代的な風景で、あとは田舎の川べりの夕暮れといった感じだった。苦労して注文したxxxx(フォーエックス)というビールはなかなか旨かった。xxxxの名前を冠したライブハウスを、昨夜見かけていたので気になって注文しみたのだが、頼んでみるものだ。

 料理も良かった。特に生の牡蠣は新鮮だった、昨夜のカニーズのとは比べ物にならない。オーストラリアでも牡蠣は好まれていて、一人で何皿でも注文すると帰国してから聞いた。1皿でいいのか?と訊かれたわけだ。

 陽もとっぷり暮れて食べ尽くした。帰り際にトイレへ入ったら小さな手動式の自販機が壁についている。ポケットティッシュの類かなと思ってよく見ると、スキンだった。・・・さすが(?)海の男の社交場なのだろう(??)。ちなみに女性用トイレにはそんなもの無かったそうです。



エスプラネード

 ヨットクラブを後にして、エスプラネード(私は勝手に海岸通りと呼んでいた)を歩きながらホテルまで帰ることにする。波が打ち寄せないので多摩川の土手を歩いているような感じだ。埋め立てて開発中のようなところがあって、その先にPLAZAというデパートのような建物が見える。腹ごなしに寄り道をする。なかなか大きな百貨店でウインドウショッピングを楽しんだ。このなかにも水族館がありカードが使えるというので入る。ファミリー料金で30ドル。サメとダイバー数人が入っている大きな水槽もあり結構楽しめた。この建物内でATMを発見、20ドル札2枚を引き出した。

 エスプラネードに戻って歩いているとカニーズや、ナイトマーケット(これも勝手に夜市場と呼んだ)の灯りが賑やかだった。通りの海側は細長い公園として整備されていて、各種の遊具やバーベキュー用の本格的な炉まで備わっていた。下の娘が明日絶対ここで遊ぶと言った。

 ナイトマーケットはその名のとおり夜だけしかやっていない。ホテルに子供達を残し、二人で行った。職場用のお土産を買うためだ。一人づつ配るのにちょうど良い大きさのジャンプジャーキー(カンガルー肉)20グラムサイズをまとめて買った。プロポリスやスクアレン、コンドロイチンといった健康食品がとても安いのだけれど、必要が無いような気がして買わなかった。日本語で通じるのでいろいろ話した。スクアレンはこちらでは表記どおりスクワレンと呼んでいたが、ごろが悪いので日本ではスクアレンと言うんだよといったら面白がっていた(高級化粧品などで深海鮫のエキスというやつです)。ときおり雨が大ぶりになるので隙を見て大急ぎで帰る。



チーズおにぎり?

 ホテルのルームサービスの案内におにぎりがあったので、カミさんに注文してもらう。しかし、電話がつながらない。英語の方の案内では全く別の番号だったので、かけなおした。3つのおにぎりのうち、1つだけカマンベールチーズの砕いたものが炊き込み御飯のように混ざっているものがあり、娘が食べてしまった。どんな味だった?うーーん外側の海苔とチーズはあうんだけど、ご飯とは合わないような気がする。ナルホド。



 6日目朝〜後日談

公園

 とうとう帰る日がやってきた。隣の部屋でカミさんがさわいでいる。食べ物を出しっぱなしにしていたら、緑色のアリがたかっていたという。自然が人に目いっぱい主張しているのがケアンズじゃないだろうか?帰り支度で念のため引き出しを開けてみたら、前のお客が忘れていったとおもわれるTシャツとズボンが・・・人間もおおらかなのがオーストラリアだ!。

 迎えのバスが来るまでに朝食を食べなければ!。子供達は海岸沿いの公園に行きたいという、昨日のカフェと反対方向だ。まあ、なんとかなるでしょ。公園にいってみると柵がしてあり、扉が閉まっている。高い位置についているノブを上下すると扉は開いた。「これは小さい子が飛び出さないようにワザとなっているんだよ。」下の娘が解説する。「ああ、そうか。あなたの保育園と同じだね。」と、わたしも応じた。あれ、動物園でも同じような会話が・・・。

 英語で書かれた看板があったようだが、あまり読まずに入り込んであそんだ(何歳以上のための遊具ですとか書いてあったようにおもう)。備え付けになっているレンガ積みの炉でバーベキューをしている家族がいた。いい匂いが漂ってくるなと見ていたら、突然とおり雨が降り出して大急ぎで食材をしまっていた。

 水のみの水栓が1つ木陰にあった。なんの事は無いのだが感心してしまった。排水設備が無い!水栓の周りはコンクリートのたたきになっているが、その外側の芝生に流れ出るままになっている。水溜りには小鳥もやってくる。なあんだ、これでいいのか。



朝食

 さて朝食である。海岸通りを横切って少し歩くとモーテルとそれに付随した小さなカフェがあった。ここで食べていこうよ、ということになった。黒板に本日の朝食が書いてある。それを2つとソーセージロールやホットチョコレートなどを頼む。例によってカミさん任せだ。注文を終えたカミさんが席に戻ってきていうには、調理場がせまいしコーヒーも缶入りスプレーをお湯で溶いているみたいだという。あれかあ・・・まあ、あれも旨いよ。

 しばらくジュージューと音がして、大きな皿がやってきた。トースト、目玉焼き、焦げ目のついたベーコンとフランクフルトソーセージ、グリルドトマト、煮豆。子供達が運ぶのを手伝っていたらオレンジジュースを追加してくれた。カミさんが料金を払うというと要らないという。サービスだったのかなと思ったら、黒板に書き足してあった。・・・その話が聞こえたかどうか?食べ終わるころにフルーツが運ばれてきて、これは本当にサービスだった(夕張メロンのようなものだったと思う)。



カード払い

 ホテルに戻り清算をすますと判らないことがあった。金庫のカギを返したのに、お金(保証金)が戻っているのかどうかわからないのだ。幸い日本語が通じるのできいてみたら、カード支払いだと言うことなので、カギを渡したときに保証金の請求を保留してあった。カギが返ってきたので請求からは除いてあるという。そのため請求書やレシートにも載っていないのだそうだ。

 ずいぶんと器用なことをするものだなあと思ったが、オペラハウスで100ドルを取り戻したときのことを思い出せばそんなものかな(一旦打ち込んだレジをキャンセルしたら、すぐに確認の電話が入った)。



ケアンズ空港

 迎えのバスが来た。JTBの人に、この間はお待たせしてすみませんと言うと怪訝な顔をしていた。バスに乗り込んでからカミさんに言うと、違う人だよと名札をチェック済みであった。バスはいろいろなホテルを回ってそのたびにお客を乗せる。ケアンズは、自分達が泊まった海岸沿いの田舎風景のところばかりでは無かった。なんてことに改めて気が付いた。

 空港につくと手続きのための行列だった。しかも、なかなか進まない。お土産を買いすぎたのか、荷物を詰めなおしている夫婦がいた。1つのバッグの重量がオーバーしたらしい。あちこちの窓口で何らかのトラブルがあるようで、旅行社の人が飛び回っていた。荷物を預けた後、カミさんが出国カードを書いていたら、案内されていた一団は2階にいってしまった。私が先に行って追っかけるが、説明がよく聞き取れなかった。

 ようやく合流して、出国手続きの列に並ぶ。並ぶ時間の割には、チェックは簡単にすんだ。後でカミさんが職業欄に4人ともJAPANと書いてしまったことに気づいたが、んー良いんじゃないの。国家公務員みたいで・・・(共産主義国か?)。

 そのあとカミさんは、TRSという窓口(どっかのバンドみたいな名前?)で消費税の還付手続きをしてきた。オパールの店で貰った紙を渡しクレジットカードを示すだけで済んだと言う。後日クレジットカードに還付されるそうだ(いまさら現地通貨で貰っても使い道が無い)。

 窓口にくる人もいろいろで、免税店で買ったレシートを持ってきて断られていたりする。オーストラリア人がマイペースでゆっくり仕事をこなしているのも事実だが、こういう勘違いのおかげで列が長くなっているのもまた事実だと思う。

 空港の中にも免税店があるが、用の無い高級品ばかりだ。残りのコインをかき集めて飲み物を買った、カミさんはアイスコーヒーを注文してニコニコしている。聞いていたとおり、生クリームとアイスクリームがのっていた。



フライト

 帰りの飛行機は窓側で良い席だった。海面下に広がっているグレートバリアリーフや、小さな積乱雲がポコポコと空中に浮いているのを眺めてはシャッターを切った。子どもたちはTVに飢えていたのか、ミスタービーンズのアニメ版などを食い入るように見ていた。ビッグファットライアーという映画ではロサンゼルスのユニバーサルスタジオが出てきて、あれ行った所だよ覚えている?ときいたらナントナクだそうだ・・・。

 飛行機の中は冷房が効いているのに、15分くらい蒸し暑いときがあった。どうもそれが赤道上だったようだ。特に放送がされたようすもなかった。船で越えた昔ならお祝いをしたというので、なにかあるのかなと期待していたのだけど通り過ぎただけだった。



日航ホテル

 成田には暗くなってから着いた。何か申告するものは?ありません!。あっけなくパス。荷物をカーゴに積んでバス乗り場まで押す、韓国人の子どもがチョロチョロしてあぶない。向こうの感覚とズレがあって動きがつかめない。日航ホテル行きのバスを待って乗り込んだ。

 ホテルのルームサービスで食べ物を頼もうとしたら、無い。慌てて1階のレストランに行く。サンドイッチや飲み物など軽めのものを頼んだ。店内は明朝のバイキングのための用意がされていた。行きに寄ったときに貰った割引券を使って支払った。

 さて、ひと風呂あびるかと思っていたら、カミさんが騒いでいる。浴槽いっぱいに赤茶色のお湯が満ちている。なんだよ、なんだよ、ホテルのトラブルは沢山あったけど、こりゃ最悪の部類じゃないか!。無理なリストラをやったツケがまわったんじゃないのか?。

 フロントに電話して様子を伝えると、ただいま一部の部屋においてお湯が濁っておりますが、出しっぱなしにしていれば間もなく無くなりますという。何が「一部の部屋で」だ、こっちはこの部屋で全部だ!。

 電話の様子からすると、点検か修理のさいに操作を誤ったものと思われた。なので、最悪のクロスコネクション(排水管の汚物が出てくる)では無いようだ。つまりこの赤茶色のものは全部、配管内に溜まっていた赤錆ということだ。自分は施設の管理をやったことがあるので理解できたが、知らない人が見たら下水が出てきたと思うだろう。それほどまでにドロドロしていた。

 とにかく、両方の部屋でお湯を出しっぱなしにした。外国のそれと比べて出が細いので、なかなか透明にならない。だいぶ良くなったかなと思われたころ、そうそう洗面台のも出しておこうと栓を開いたら、真っ赤なお湯が洗面台ばかりか、また風呂の方からも出てきた。

 これは・・・、こう推理できる。洗面台の水栓と風呂場の水栓は同じ水道管に繋がっていて、洗面台の方が上流側についている。先に下流の水栓を開いて、殆ど流してしまったのだが、次に上流の水栓を開いたときに、この付近に溜まっていた赤錆が刺激されて下流にも流れ出た。

 このことは規模をかえれば、今まで使っていなかった上流側の部屋の水栓を開いたことによって、問題なく使っていた下流側の部屋にも、一時的に影響が出る可能性を示している。あらら、おいらのせいじゃないからね・・・。

 ようやく透明になったお湯を貯めて、風呂をすまして寝る。階下のパイプシャフトの方からガツンガツンという音が控えめながら響いてきた。何階下かはわからないが、とうとう営繕班の工事が始まったようだ。

 翌朝バイキングで朝食をとった後、私はクルマをまわして荷物運び。カミさんがフロントで清算をした(ももたろうの話みたい?)。カミさんによると、清算中に奥から男の人が出てきて、お湯のことを謝ってサービス料を引いてくれたと言って驚いていた。

 なんだか今回の旅行はこういうことが多いねえと言うから、そうかなあ・・・と応えておいた。カミさんはオーストラリアが気にいったらしく、自信もついて、こんどは旅行社に頼まないで行けそうだとまで言い出した(おいおい、ずいぶん世話になってるぜ・・・おれひとりじゃ、おにぎり買ってこれなかったよ)。



クルマまで変

 暑さのせいだったのか、空港の電磁波のせいだったのか、はたまた南半球の磁場を背負ってきてしまったのか。カーステレオが変になった。カセットテープを再生中にいきなりラジオに切り替わってしまう、それも道路情報の。テープがくっついたのかと思って入れなおしたりするが改善しない。高速道路の継ぎ目をゴトンと越えるたびに、ラジオになったりテープになったり切り替わるようだ。ほかにもブレーキを踏んだり、カーナビの操作をしても切り替わる。このクルマ、ラジオのアンテナが後ろについているため、自動で伸び縮みする。切り替わるたびにアンテナも出たり引っ込んだりしている。

 これじゃ飛行機で見た映画ビッグファットライヤーに出てきた車じゃないか・・・。



ラベルの顔が・・・

 さて、家に着いて顔写真入のワインを冷蔵庫に冷やしておき。翌日1本を開けた、新鮮なワインなので冷やしておくとなお飲みやすい。8割ほど飲んでしまったところで、カミさんが気が付いた。ラベルのプリントが水滴で滲んで流れている。ななんと水性インクで表面処理をしていない!

 開けてないもう1本のほうは、まだ大丈夫だ。冷蔵庫から出して急いでバスタオルを巻いた。一日かけて室温に戻し、そおっとラベルをはぎとりビンは冷蔵庫に戻した。

 なんだかなあ・・・、折角のサービスもマサカこんなオチがあろうとは!



 以上です、長い駄文にお付き合いありがとうございました。