オーストラリアに行ってきました(中)


 3日目昼

サーキュラーキー

 サーキュラーキー駅は高架の上にあった。ホームにあった飲み物の自動販売機を試してから、階段を下り改札を出た。どっちに行けば良いんだ?次なる目的地はタロンガ動物園だ。見回すと桟橋がある、近づいていくと地図と時刻表があり、タロンガ行きは15分後に出港だ。乗り場はこの先だ、それ行け!。
 切符は買わないのか?とカミさんが言う。案内所のようなものは見当たらず、桟橋ごとに切符売り場があるようなので、まずは乗り場に直行する!!

 思ったとおり、乗り場で切符を売っていた。カミさんに任せて買ってきてもらうことにしたのだが、売り場の前から何を買うのかと大声で訊いてきた。セットになった切符があるらしい。動物園だ!ズーだ!と言うと、売り場のオバちゃんにこちらの様子が解ったのか、フェリーとロープウェイと入園料がセットになったものを、ファミリー料金で売ってくれた。ファミリー料金の由来は解らないが、日本でも取り入れたらいいと思う(少子化対策・・・になるかな?)。



水上から見るオペラハウス

 フェリーが船着場から離れるに従って、街の全景が見えてくる。いろいろな建物があるがシドニータワーは目立っている。オペラハウスの近くまで来た。隣に座っていた金髪の女子大生風が記念撮影をしてあげようと言う。カメラを渡して御願いすると、タイミングを計ってなかなかシャッターを押さない。やっとのことで1枚とってもらったら。もう、あんなに離れちゃった。一番近づいたときに背中を向けていたので良く見てなかった。・・・帰りにまた見られるさ。



タロンガ動物園

 フェリーを降りるとバスが待っていた。これに乗るのだろうか?カミさんが訊きにいってる間、人の流れていく方向を確かめに歩いていくと、置いてかれたと思ってすっ飛んできた。バスに乗っていっても良いしロープウェーで行っても良いんだって!知ってたんでしょ!!。・・・人の流れはロープウェイの入り口につながっていた。

 ロープウェイ乗り場は階段の上、入り口で切符を見せると裏のセット内容を確かめてから、ゴンドラの方へ通される。こんなものは移動手段さとタカをくくっていたら、動物園を上から見るというのは意外に面白い。初めからちゃんと見とけばよかった。特に気に入ったのは、オラウータン。木の上で生活するので近くからだと見上げるばかりだが、ここからならよく見える。

 ロープウェイを降りるとすぐに土産物屋があった。更に進むと案内所があり、園内の地図もそこにある、そしてそこには募金箱もある。タダで貰ってくるのは気が引ける。小銭を持ってるカミさんたちがトイレ休憩から戻ってくるのを待つ。地図は今いるところが手前(下)に書いてある。ロープウェーで上ってきたので奥(上)の方を探してしまった。やっぱり南半球は違うねって・・・関係ないと思うぞ。

 コアラとタスマニアデビルの位置を確認し、あとは適当に見ることにした。はじめは池にいる鳥、目立たない階段を下ると水際から見ることができる窓があった。視点が水鳥に近くなって雰囲気満点だ、、でも鳥は遠くにしかいなかった。

 行列を作っているところがあって、何だろうと思ったらコアラと記念撮影をするために並んでいるらしい。抱っこは禁止されていても手をつないでの記念撮影ならOKなのか・・・。並ぶのは嫌いなのでパス!コアラだって列が長くなっていくのを見たらウンザリするだろ(?)。

 二重になったフェンスの扉を通ると、カンガルーが寝そべっていた、柵は無い。動物が逃げないように扉が二重になってるんだよ、下の娘の解説だ。・・・なーるほど保育園の扉と同じだね。

 タスマニアデビルは、ガラスの向こうでお昼寝中だった。意外と小さい、全身真っ黒でカバのような顔をしているモグラみたいなヤツだった。肉食の有袋類ということだが寝顔はカワイイ。

 コアラは柵もガラスも無しで見られるが、遠いので望遠レンズがないと小さくしか写らない。コアラがしがみついている木を中心に、らせん状のスロープを一周するといろいろな方向から見ることができる。コアラの親子を枝の間に発見!可愛い!!。

 照明を落としている施設がいくつかあった、1つはカモノハシ。水槽を泳ぎ回っていたが暗すぎて写真に撮れなかった。だいたい、じっとしてないし暗いので肉眼でもよくわからない。とってもデリケートな生き物ということなので仕方ないか。もう1つは、モモンガー(ムササビ?)やネズミだった。モモンガーは盛んに飛行を繰り返していた。

 園内のファーストフードで昼飯にする。小鳥がほとんど遠慮なしにそばに来る。餌をやってはいけないということになってる、でも、この馴れ馴れしさはなんだ?小さい鳥だと思っていると、だんだん大きな鳥もやってきて、終いには孔雀までやってくるじゃないか!!!。掃除のおじさんが一人貼り付いていて、食べこぼしや食べ残しを撤去する。お客が立ち去ったテーブルにはスプレーで何か吹きかけている。洗剤の臭いで鳥を寄せ付けないようにしているらしい。

 もう、だいたい良いかな?じゃあ帰るか!地図を見ながらウロウロ歩いているとチンパンジーやら、キリンに出会った。キリンは餌付けショーの時間だった。何匹もいるのに一番首の長いキリンが何度も餌を食べてしまって、かわいそうだと娘たちが言った。

 フェリー乗り場に近い出口から出て少し行くと、園内のお土産屋があったが出口しかない。隣は動物園の入り口である。店内のオバちゃんに切符を見せると、再入場のための切符を無料で発行してくれる。カミさんと下の娘が店内へ、私と上の娘は再入場せずに砂浜を探検しにいった。砂浜には注射器に注意!の看板がありなんだこれは・・・、注射器専用のごみ箱もあったりする(何本か捨ててあった)。暗くなったらこない方がいいみたい・・・。

 程なく落ち合い、フェリー乗り場へ向かう。あれ?無人乗り場だ。そうだ、帰りは着いてから清算するとJTBの人から聞いていたっけ。フェリーの中でウトウトしていたら、オペラハウスは通り過ぎてしまった。


 3日目夜

再びサーキュラーキーにて

 フェリーを降りてから、お茶でも飲みたいなと思っていると、カミさんがロックスへ行きたいと言う。古い街並みが残っているところだそうだ。第3の目的地はそこにしようかと思って歩いていると、さすがに駅前、いろいろな店がある。特産品のオパールの店に入ってしまった。私は石とか貝や、それらの加工品はあまり好きではない(誕生石には不思議な力があると言われているけれど、ホントにあったら悪い事だって起きそうじゃないですか!身に付けないのがイチバンだ)。

 隣のみやげ物の店に入って待つことにした。「秋葉原」と書かれた看板がかかっている店は、日本人とわかると、日本語で話し掛けてきてうっとうしい。ブーメランやカンガルーの皮で作ったスリッパや袋、でっかい笛。キーホルダー、絵葉書、ビーフジャーキー、クロコダイルジャーキー、エミュジャーキー、カンガルージャーキーいろいろある。交渉次第でまけますよという意味で「秋葉原」らしい。団体客の合間に店員同士の話が聞こえてくる。冗談で薦めたらホントに買っていったよ・・・とか日本語で。話し掛けられても相手にしない私は中国人と思われたのかも?



目的地は回転寿司?

 カミさんたちと「秋葉原」で合流し、仕方ないから?キーホルダーなど買って店を出た。ロックス行くの?と訊くともういい!来るときにみた回転寿司がいい!!という。そんなの何処にあった??

 大通りを上っていけばナントカなるだろうと思ったのだが、どうもいけない。この辺で曲がれば近いかなと曲がるたびに逸れてしまったようだ。南半球だからだろうか?陽は傾き夕闇が迫ってきた。



トイレはどこ?

 ええー、こんなときにトイレ?スターバックスの店内や周辺を見回したけれどわからない。名前も知らないホテルが見えたので背筋を伸ばして入っていく。奥へ進むとロビーの隅にあった、あった。ルートは見つけられなくてもトイレは見つけられる・・・。交差点に立てば通りの名前が必ず書いてあり、二つの通りの名前を地図上で探し出し交点を求めれば、現在地がわかる。でも、歩き出すと違ったところに出てしまう。

 バスターミナルのある公園にでた。公園の中に地下に通じる階段がある、駐車場でもあるのかな?降りてみると地下通路、来るときに乗った地下鉄の駅だった。晩のおかずを売っているのか、ローストチキンのいい匂いがした。見覚えのあるスロープを昇っていけば「回転寿司」の近くに出るだろう。

 ところが、地下通路を出たところから遠ざかる方向に歩いてしまったようだ。見覚えのある時計台だと思って近づくと、全然見覚えの無い場所だったりした。

 目的地があやふやだから良くない。変更!「茜屋」にする。地図を確かめてチェックしながら歩く。しばらくすると子供たちが、あ、ここ見たことがあると言い出す。それはそうだ朝食を食べたところ、グレースホテルの前だ。ホテルに帰るんじゃないの?はーい、そこは目的地ではありませーん。昨日のコンビニも通り越して、いったい何処へ連れていかれるのか?



茜屋(あかねや)

 目的地「茜屋」に無事ついた。今度はみんなを連れてきましたというと、覚えていてニコニコしている。ウドンすきと刺身と揚げ物かなんかを適当に頼んだ。飲み物はビールと、ツナミというカクテル。ツナミは、日本酒をベースにライムとマスカットと炭酸水でつくられたカクテルで、完成品がビン詰になっているものだった。口当たりがよくいくらでも進む。昨日は自分の誕生日だったからと、本日のお薦めから、ウニの刺身と、ピピ貝とほうれん草の和え物、それと日本酒を頼んだ。酒は豪酒という地元の酒?だった(オーストラリア製)。ウニは、ちょうだい、ちょうだいと子供たちが箸を出すのですぐに無くなった。

 酒も回って、すっかりいい気もちになってくつろいでいたら水族館は?という。忘れてなかったのかい?。よし!行くか。カードで支払いを済ませ店を出た。レシートによると19時17分、98.3ドルの支払いとある。



水族館

 茜屋を出て坂を下れば水族館はすぐだった。ここでもファミリー料金。切符代わりに手の甲に魚のスタンプを押されて中に進む。夜の水族館もオツなものだ。クラゲは怪しく漂ってるし、魚も活き活きとしているように見える。それに客が少ないから列をつくることもない。自慢の水中トンネルはさすがに迫力がある。酔いにまかせてシャッターを切ったものだから、デジカメとはいえ撮影可能枚数が乏しくなった、明日はケアンズだというのに。



 4日目朝

アイ・ハブ・ノー・アイディア

 今日はケアンズに移動のため、朝からJTBのバスが来る。その前にチェックアウトを済ましておかなければならない。昨日の疲れもあって皆よく寝ている。モーニングコールのベルは時間どうりに鳴った。起きろー!飛行機に乗れなくなるぞー!!。ひととおり起こしまわって、ヒゲを剃り、歯を磨く。こちらの水が合うのか、とてもサッパリする。

 着替えを全て詰め込んだトランクはドアの近くに置いておけば、取りにくることになっている。サッサと下へ降りてチェックアウトを済まそうと言うと、まだ荷物を取りにこないから行けないという。オレは金を払うのに並ぶのはイヤダー!すいてるうちにしよう!!と言うが、カミさんは聞かない。

 荷物をとりに来たのは集合時間の10分前だった。荷物が台車に載せられるのを見届けて、部屋を出る、ほら急げ!ロビーに下りると既に迎えは来ていて、荷物は運ぶからチェックアウトを済ますようにと言われた。カミさんが日本に電話を掛けただけで、部屋の飲み物には手をつけていないから簡単に終わるはづだった。

 が、受付にいったカミさんのようすがどうもオカシイ、時間がかかりすぎだ。近づいて話を聞くとワンツインだという。予約してコネクティングルームに泊まったのだ。何がワンツイン(ツインベッド1室)なのだ?領収書のような紙切れを出してそう書いてあるという。・・・・・いったいこの紙切れが何だと言うのだ?

 金が足りないから払えと言ってるようなのだが、こちらはJTBに払ってある。なにやら言ってるけれど、サッパリわからない。カミさんがマイクロバスへすっとんでいく。んんと、これはホテルとJTBのビジネスの問題だから、ほかに勘定があるならJTBに送ってくれ!・・・と英語で言えたらなぁと思いついたら、カミさんがJTBの人をつれてきた。彼にも、あの紙切れの意味がわからない。それで、これは違う客のものだろう客の名前が載っていないじゃないか!と言っているようだった。

 アイ ハブ ノー アイディア。ホテルマンが何か言うたびに、彼は冷たく繰り返した。その言葉には気が宿っていた。「私に恥をかかせるつもりか」口には出さないが静かな気迫がそう伝えている。結局ホテルマンは折れて、電話代のみを清算しマイクロバスに乗り込んだ。私は黙って立っているだけだったが、でも何かの役にはたったのだろう(?)。

(後日談)

 カミさんがタイミングよくJTBの彼を連れてきたと思ったら、ホテルマンが旅行社の人間はいないのか連れて来い、と言ったらしい。ナニー!自分で確かめもせず、そんな横着なことをよくも言ったものだな!!。後になって腹がったった。

 さらにカミさんの言うには、私がオニギリを求めて走しりまわっていたとき、ロビーでカミさんを気遣ってくれたJTBの女性が、別の部屋をとる手続きをしていてくれたのだという。その部屋は手続きはしたが、コネクティングルームの掃除が終わったので、使うことは無かったそうだ。そのとき手配した記録が、あの紙切れだったのではないかという。

 つまり、金が足りないどころじゃなくてJTBが余分に払っていて、ホテルが払い戻すべき額がしたためられた紙切れだったのでは?ということだ(今これを書きながら、カミさんの話をつなぎ合わせるとそう思えて来た)。

 カミさんはそれを言うと、私が不機嫌になって怒鳴りだすといけないと思ってだまっていたようだ。実際、あのとき、私は本当に黙って立っているだけだった・・・。

 旅行好きの人にこの一件を話したら、家族で泊まる場合、夫婦用のスイートルーム代わりに別室を取ることがあるので、それと思って請求したのだろうという。それで、ホテルマンはニヤついていたのか!!!怒再・・・



ドメスティック(国内便)

 カンタスの国内便の手続きは、立派な空港の前のプレハブだった。マイクロバスで乗り付けるのにちょうどよい大きさのプレハブの建物で行っていた。トランクの車輪をキーキー鳴らして列に並んだ。建物の中では発券と荷物預かりをやっていて、行列の合間をJTBの方が飛び回って説明していた。

 ホテルで付き添ってくれた彼女もいて、私たちを見つけるとすっ飛んできてお加減はどうですか?と心配してくれた。ええ、大丈夫です。動物園と水族館に行きました。と言ったら、それだけ行ったら充分ですと自分の事のように喜ぶので、今朝のことは言い出せなかった。忙しい彼女は、また誰かの世話を焼きにいった。今、考えてみると、ちゃんとお礼を言ってなかったなあ。

 手続きが終わると大きな建物の2階に移動、何か食べることにする。下の階では生ジュースのコーナーがあったようだが、この階で持ち込みのチェックを済ませてしまっている。戻るともう一度受けるのが面倒。広いし店も沢山あるので、この階のカフェテリアですます。カミさんに任せていたらカードでの支払いをあまりやってないようで、手続きに待たされた。その間、店員がカードを持って別のところへ走っていった。

 私はというと、デジカメのフィルム「スマートメディア」を探していた。フィルムやカメラ用の電池を売っている本屋で訊いてみた。

ドゥーユー ハブ スマートメディア?
 何のことかわからないみたいだった。ビニール本の類と思ったかもしれない・・・。別の店員がメモリースティック?と訊いてきた。これは脈がありそうだ!

ライク アー ジス
 デジカメを引っ張り出して、現物を取り出して見せた。不思議そうに眺めてノーという。

アイシー
 それだけ言って店を出た。

 同じことをもう一軒でやってみたが、スマートメディアは見つからなかった。日本の成田空港みたいに、何でもそろってしまう方が珍しいのかもしれない。そのときはそう思ったのだが、デジカメ自体が普及していないともとれる。後で国際便に乗ったときに、機内の免税品販売カタログのなかにコダックのデジカメを見つけた。しかし、メディアは何を使っているのかは書いてなくて、ケーブルを使ってパソコンに取り込めるとだけ書いてあった。

 飛行機に乗り込むと、イチバン後ろの席だった。もう中央の列しか座席が無くて、だから窓の外も通路越しに見えた。赤茶けた大地が幾何学模様に耕されていて、ところどころ水が走ったあとが不規則な筋になっていた。遠くでキラキラ光っているものが見えたが近づくと赤くにごった水たまりだった。



ケアンズ空港周辺

 朝の緊張が眠気をさそいウトウトしているうちに着いてしまった。こちらも大きな空港だけど、シドニーのようなせわしさは感じなかった。迎えのマイクロバスに乗り込み道路を走っていても、日本のアスファルト舗装された農道のようだ。稲の代わりに木が生えている。マングローブだと言う。満潮のときは潮水に根がつかるのだそうだ(田んぼだ・・・)。小さな橋の付近は大げさなフェンスで囲ってある。ガイドの話によると何年か前に、この道路に大きなワニが寝そべっていて大きな事故になったそうだ。



 4日目昼

海岸線

 ケアンズの街は海岸線に沿ってにぎやかな街並みが続いていた。海は干潟になっていた。波が打ち寄せる浜辺をイメージしていたがぜんぜん違った。時間により、潮水が満ちたり引いたりする大きな沼といったところで、背の高い草が岸に近い干潟の泥から生えている。そして、その名もマッドクラブ(泥のカニ?)という大きなカニが、ここの名物だ。



予約
 
 例によって、JTBのパラダイスラウンジでオプショナルツアーの説明があった。まずは今夜の夕食。こちらの人たちはノンキなので予約していったほうが良い、待たせるのも待つのも全然気にしないからという。そして量がとっても多いので、日本人向けにアレンジしたメニューで用意してるから間違いないという。そこまで言われると、じゃあ御願いしますと頼んだのが「カニーズ」というシーフードの店。

 明日の予定は、何も考えていなかった。いろいろあるが、高原へ行くか、珊瑚の海へ行くかということになる。世界遺産のグレートバリアリーフで泳げるという。冬だと思っていたので水着の用意をしていない。どこかで買って海に行ってみようか?

 そう話すと、子供連れなので時間のとれるグリーン島が良いだろうというので、御願いした。水着などはナイトマーケットで買うといいという。ふむふむ。

 料金はファミリーですが、3段階あります。シンプルなのは船着場まで来ていただく。2番目はホテルで待っていただいてバスでお迎えする。そして3番目はバスでお迎え、プラス日本語添乗員が付きます。

 ふーむ、バスったっていろいろなホテルをグルグル回って来るんだろう?そのために早起きするくらいなら、ナントカ自分で行くよ。

 そうですね歩いてもこれますからと言う。ええ・・・なんだ、そうなのか!。歩いて15分のところをひとり8ドルも余計に払ってバスに40分も乗るなんて、・・・なんて良いお客さんたちなんだ!。

 ところで明日の天気はどうなんですか?あしたは予報では雨です。でも、船は風速30メートル以上にならないと運休しません。

 それって、日本でいうところの台風なんですけど・・・、まあいいや明日は明日の風が吹くさ?

 明日の夕食ですが7時30分ごろがよろしいかと・・・。

 ううむ、ナントカ自力で見つけますよ。ダメだったらコンビニだ。コンビニでカップ麺買って、部屋でたべるよ。

 ははは・・・!、(突然、真剣な顔になって)そんなとんでもございません。24時間ここに詰めていますから、何かありましたらすぐお電話ください!!!

 冗談で言ってると思ったらしい・・・。老夫婦が感心して(呆れて?)こちらを見ていた。カミさんの英語力を持ってすれば恐れることは無ーーい!(100ドル取り返した)、私だってマクドナルドで注文できたんだぞ(!)。それに地元のコンビニはおもしろい。

 予約の手続きをして、バスを待った。冷たい飲料水のサービスがあったので、ありがたく空いたペットボトルに詰めた。成田でひとつ買っておいた保温の利くペットボトル用の袋は重宝だ。こんなもの何処でも買えると思ったのだけど、見たこと無い。やっぱり日本人は几帳面なんだなあ。

 バスがなかなかこない、歩いていけるなら行っちゃおうか?。でも、ホテルで待ってるJTBの人が待ちぼうけ食っちゃうなあ。そう言うと、チェックインは自分でするのだから待ってる人はいないと言う。



歩く

 バスには乗りませんと断って外に出る。OKストアというみやげ物の店があった。入り口に大橋巨泉の色あせた立て看板、店のオーナーだそうな。南極が上になっている地球儀を置いてるとJTBで言っていた。店を外から見ただけでパス!

 お土産のワインがもらえる店を探しに行く。その名もパラダイスという店で日本語スタッフがいる。お土産ワインのラベルに顔写真をいれるサービスをしており御願いした。写真を撮ってから20分かかるという。

 撮影の後、ワインの味見をどうぞと3種類出してくれた。そのうちの1つ、最後に出された貴腐ワインは、一度味わってみたいと思っていたものだった。とっても珍しくベラボーに値段が高いが、ブラボーに旨いという。黄金色に輝くその液体は、酒というよりもフルーティーな甘い飲み物だった。

 目をつぶって飲んだら、その味と香りから迷わずに「干しブドウのジュース」と言っただろう。そんな率直な感想を言って、店員が機嫌をそこねるといけないので「美味しい」とだけ言った。

 日本で買うよりもとっても安い、ビンも細くておしゃれだがこの方が長持ちするのだそうだ。そして、みなさんまとめてお買い上げになりますという。とっても重そうなのでパスだ。

 ラベルが出来上がらないので、後でくることにして店を出た。子供たちはクロコダイルジャーキーなど、いつのまにか試食していた。隣の大きなみやげ物店に入ると、いろいろなものがあった。あのベジマイトのとっても小さな40グラム入りもあった(笑)。

 店の奥でCDが試聴できるディスプレイがあり、1枚につき1分ほど聞ける。日本だったらヘッドホンがついてるだろうが、そんなことは気にしないのかスピーカーで流れていた。自然の音や原住民の楽器演奏のCDだった。何の楽器かはわからないが、音と音の重なりによる唸りが、ろうそくの炎のように揺らぐ演奏だった。

 何を買ったかなあ?下の娘が帽子を買ってもらい気に入っていたのがここだと思う。



焼きそば

 おなかが減ってきた。この店の先に日本語の看板がある、高級な料理店のようだ。明日の夕食の予定をいれながら昼飯にしようか?などと考えてそちらへ進む。店の前に牡蠣が旬だと書いてある。ここに入ろうというとカミさんの返事が無い。もう一度訊くのが面倒なので更に奥に進む、こんどは安っぽいラーメン屋のようなところがあった。ああ、ここでいい。なんか食べよう。女性ばかり3人でやっている、日本語が通じる店だった。

 焼きそばと冷やし中華を注文して、分けて食べた。日本の雑誌がカウンターの隅に積んであったようだ。まずくは無いが、特別に旨い訳でもなくまあまあだった。円でもUS$でも可と書いてあったが、レートが悪いですよと言って断られた。私は正直な店員だと思ったが、カミさんはウソが書いてあると怒っていた。



カンガルージャーキー

 ホテルに行くはづが、すっかり買い物になってしまった。先ほどのワインを受け取ったあと、賑やかな通りを歩いていると日本語で10パーセント引きですよ、と言っている店に入ってしまった。職場の土産にカンガルージャーキーでもまとめて買っていこうかと思ったからだ。カミさんと子供たちはここでもオパールの装飾品を見ていた。小さな透明ビニールのバッグに入ったジャーキーのセットを割り引いてもらって買った。



ホテル

 お土産ワイン2本を抱えて重くなってきたので、こんどは本当にホテルへ向かうことにした。トレードウィンドエスプラネードというホテルは、ちょっと離れたところにあった。エスプラネードという名前のホテルは他にもあって、そういえばJTBの人はトレードウィンドとだけ言っていた(直訳すれば貿易風かあ覚えやすいなあ)。エスプラネードというのは海岸沿いの通りの名前だった。

 ようやくホテルを見つけて、ここだ!ここだ!と入ってみると、人気(ひとけ)が無い。エレベータはあるがスタッフオンリーと書いてあってボタンのところがカギになっている。外は工事中のプールが無残な姿をさらしていた。

 裏口だった。一旦出てグルーーっとまわって、今度はちゃんと正面から入った。受付にメモが残されていて、やっぱりJTBの人が待っていたようだった。確認したのになあ・・・。ホテルの金庫はカギをフロントで渡してもらう。このときに保証金を払う、チェックアウトのときにカギを返せば保証金は戻る。JTBの人に聞いていたとおりだった。カミさんが自分のクレジットカードで申し込んだ。



 4日目夜

カニーズ

 ホテルの部屋でくつろいでいると眠気がさしてきた、買い物で歩きまわったせいだ。焼きそばを食べたのが3時ごろだった。夕食の予約は6時だ、少しばかり横になっていたら、あっという間に時間が過ぎた。

 夕食を食べに行くぞー!行くぞー!!と、起こしまわって出発。エスプラネード通りを真っ直ぐ進めばよいのだが、シドニーのこともあり地図を見ながら早足で進む。もう、そろそろというあたりになると歩きにくい。歩道にテーブルや椅子を出している飲食店が増えてきたせいだ。お客も沢山いて賑わっている。

 ここ、ここだ!6時ちょうどに到着。日本語スタッフがいて2階へ案内される。窓際の席に通されたが、もう暗くなっているので海は見えない。通りの向こうにバス停が見えるくらいだ。ウェイターがやってきて、JTBのデラックスコースでよかったですね?お飲み物はどうしますか?・・・全部日本語だ。

 うーん、ワインを選べということなんだがそんなものはワカラン!!。何が合いますか?というと、ニコニコしてリストを指差したので、それにした(そんなに笑うな!!)。テイスティングしますかと言うから、はぁいと答えて一応マネだけはする、飲みやすいワインだった。料理にも良く合う、ミエをはらないで良かっ・・・・。でも、ちょっと不満。

 私の乏しい経験則から言うと飲みやすいワインは庶民的なワインで値段もはらない。何かしらの特徴(あるいはクセ)があるのはブルジョアのワインで値段も高い。もちろん私は、庶民的なワインを楽しむのが好きだ。

 しかし、それを言い当てられたのが悔しい。この程度で充分さと、味覚や財布の中まで見通されたみたいだから。自分の味覚に自信を持って、安くても旨いワインだって沢山あるのさ、と開き直ってしまえば、もっと楽しめるのだろうけど・・・。

 メインディッシュが運ばれる。あらかじめテーブルにセットされていた透明アクリルの台に載せられた。重心が偏っていますので、フルーツを取るときはご注意ください、だって。盛り合わせの内容はマッドクラブ、ロブスター、牡蠣、ザリガニのようなもの、フルーツはなんだったのだろう?スジだらけのパイナップル、スイカ、夕張メロン(?)の切れ端。飾りにパイナップルの葉っぱの部分がドドーーン。

 カニや海老はあらかじめ包丁が入っており、手づかみでむしゃむしゃと食べた。フィンガーボウルの水で手を洗い、ガラ入れの皿に殻をどんどん放り込む。マッドクラブは旨かったが、ロブスターなどは自分で冷凍のを買ってきて戻した方がよっぽど・・・・。

 油が無いねえ、とカミさんがいう。アメリカにいるときに連れて行ってもらった店では、ロブスターにはアブラがついてきて、浸けて食べたのだと言う。うーむ、それは溶かしバターだと思うよ。TVで見たことがある。溶かしバターにレモンを絞ってソースにするんだ。蒸したてのアツアツのロブスターだと旨いんだが、冷えちゃってるのに浸けても旨くないと思うよ。私も蒸したてのアツアツのほうが好きだ(写真を見て選んだのが間違いだった)。

 そう、メインディッシュは冷えていた。大量に供給するためにあらかじめ作っておき、冷やしておいたものなのだろう。団体客向けのメニューだ。

 やれやれ、なんのためにメニューを決めて予約し、早足で歩いてきたのやら・・・・。それに周りを見回しても日本人客ばかりだ。日本語が使えるせいか、○○○クレジットカードなんだからワンドリンクサービスでしょ!と、威張って持ってこさせる若い女性客がいたりする。

 食べ終わってみると、家族の中で私が最後だった。いつもは最初に食べ終わるのにナンダカンダと不満をもちながらもイチバン執心していたようだ。支払いをテーブルでしようとしたら、上ってきた階段の近くにレジがあり列ができていた(金を払うのに並ぶのはやだなあ)。支払いはカミさんにまかせた。料理の代金はJTBで払ってあるから追加のワイン代だけだ。

 次の目的地「ナイトマーケット」に水着を買いに行かなければ。サッサと行くぞ!



ナイトマーケット
 
 カニーズからの帰り道にあるのでちょうど良かった。いろいろな店が商品を並べていた。店の形態であるし、プロの店員なのだが、フリーマーケットのような感じである、あるいは秋葉原や下北沢に残っている闇市的な雰囲気が路地にただよっていると言うべきか・・・。

 女性の水着売り場の前で、ウロウロしてはいられないので別行動とする。トランクスを手にとって選んでいると、店員が日本語で話し掛けてきた。サイズがよくわからないと言うと、計ってみましょうと奥から巻尺を持ってきた(別の店員が英語でメィジャーと言っていた、そういう日本語もあったな?)。

 試着したわけではないが薦めるものは、どれも少し小さめのような気がしたので、ちょっと大き目の紺色で緑のラインが入ったものにした。カードで払った。

 カミさんたちは、まだ選んでいる。一周してくると言って見物に出かけた。Tシャツの売り場を見た「DIVE」という文字が入ったものが多く、人気があるようだった。知恵の輪のところで挑戦したが解けなかった。カンガルージャーキーなどが安いと思ったら、グラム数が小さい土産用のものだった。香りのする蝋燭の店もあった。カフェテリアのようなものもある。

 戻ってくると、ちょうど買い終えたところだった。山積みのバスタオルが1枚8ドルだとかで、それも2枚買っていた。Tシャツも買おうよというと、えっ欲しいの?という。水着の上に羽織るのだよ、一応冬なんだし・・・。Tシャツもそれぞれ選んでまとめて買おうとすると、5枚なら10パーセント引きだという、もう1枚買えと言うことか。

 10パーセント引きってのは、10枚買うと1枚タダってことだけど、5枚だったら半分タダなんだろう、半端じゃないか!と屁理屈を言ったら、高いのをまけてやるという。どれだ?というと夜光塗料でワニの目が画いてあるのをまけるという。これはとっても人気があって1まいだけ残ってしまったものだが(矛盾してるぞ・・・)33ドルを25ドルにまけてやるという。結局5枚目はそれで、さらに全体で10パーセント引きということで買った。

 それぞれ荷物を下げて、ぞろぞろ帰る。使い捨てカメラじゃなかった・・・レンズ付きフィルムの水中カメラがあり欲しかったが、もうくたびれていたのでパスしてホテルへ向かった。ホテルの近くのカフェ、店は閉じていたが面白そうだし早朝から開いていると書いてあったのでチェックである。